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天台寺の仏像 [その他]

奈良時代の神亀5年(728年)

聖武天皇の命により行基菩薩が開山したと伝えられる「天台寺」

最北の仏教文化の中心として 篤い信仰を集めていた古刹ですが

戦後のある時期までは 荒れ放題の廃寺と化していたのです

そもそも 明治維新の際の「廃仏毀釈」(はいぶつきしゃく)により 

ここ天台寺でも多くの堂や仏像が破壊され又は焼却され 寺社内

の屋外のあちこちに仏像が放置されたということです

一部の檀家の方々により 多少の仏像は隠したり保護されたりした

ようですが これにより貴重な多くの仏像が失われました

その後 天台寺の歴史的価値が見直されるまで 多くの時間を必要としたのでした

国指定重要文化財   天台寺観音堂(本堂) 

更に戦後 当時の住職と一部の責任者が 八葉山と呼ばれるこの地の霊木

およそ1200本(樹齢何百年といわれる大木群であったと言われています) 

を無断で伐採し売却する という前代未聞の事件を起こし 山全体が丸坊主

になってしまう事態に陥ったのです

この事件を契機として 町全体の天台寺を復興しようという機運が高まり 保存

保護活動 学術調査 今東光さん 瀬戸内寂聴さんの住職就任等により 今日

の天台寺の復興が成された訳です

豆地蔵は その伐採された霊木の慰霊の意味で設置されているとのことです

今でも寺社内のあちこちに 朽ち果てた大きな切り株が無残な姿を晒しています

 

 本堂にまつられる県指定の菩薩坐像

 柔和なお顔なだけに 朽ちて痛んだ部分に心痛みます 

 

恐らく屋外に放置され 風雨に晒されて痛んでしまった仏像群

 

 

     

         聖観音立像(国指定重要文化財)

      尚 十一面観音立像は 東京へ出張中でした

 

 

もうひとつ  本堂の近くに恐るべき切り株がありました 

なんだ  これは!! 

 

圧倒的な迫力!

残念ながら 「姥杉」は消失してしまい これは当時の資料から復元されたものです

この杉が残されていたとしたら 大変貴重で 観光の目玉になったかもしれませんね

案内板にもあるとおり 伐採された霊木は直径2m前後 それらが全て伐採されてしまった

なんて 本当に残念なことですね

現在の樹木はその後植林されたものだと聞いています

    

機会があれば 寂聴さんの「青空法話」 是非聞いてみたいものです

心惹かれながら この地を後にしました 


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コメント 12

michan

わらしっこさん、こんばんは☆
観音様のお顔の優しいこと・・・
すごくいいな~^^
最後のお写真も好きな一枚です。
私も仏像が好きなので、行きたいです。
by michan (2007-10-27 21:03) 

nono

木の仏像は保存もきっと大変なのだと思うのですが、放置されていたなんて、悲しいですね。
樹齢の長い立派な樹木も伐採されていたなんて、、、大きな切り株に驚きです。中の植林された木を守っているかのようで、大きく育って欲しいです。
by nono (2007-10-27 22:21) 

Silvermac

趣があるお寺ですね。
by Silvermac (2007-10-27 22:42) 

とんでもなく罰当たりな坊主がいたもんだ。
寂聴さん説法の寺ですね・・・。
辿り着くまで、結構歩くお寺でしたよね?
by (2007-10-27 22:59) 

krause

木彫りの菩薩坐像を初めてみました。時間の積み重ねが像を味わい深くしていますね。
by krause (2007-10-28 04:00) 

キタノオドリコ

ええ、明治の廃仏毀釈もあったでしょうが、戦前まで荒れるにまかせていたようですね。
当地出身の弁護士に布施辰治なる人物がいるのですが、この人、岩手県北部の入会山紛争も手がけ、昭和10年、一向に進まない和解条項確認のため現地に入り「奥の入会紀行」なる日記を残しています。その旅の終わりに八葉山天台寺にも立ち寄り、桂清水の鉈彫観音など宝物を書き写しているのです。
で、今回、偶然にも現物を拝見することができ、ビックリですよー。感激。
あ、長くなりました(><)。
by キタノオドリコ (2007-10-28 07:39) 

風の又三郎

michanさんへ
アジサイの咲く頃に是非いらして見てください。 境内中がアジサイに彩られ、それは見事だそうです。 仏像の痛みが可哀想ですね。

nonoさんへ
「姥杉」の大きさにはそれは驚きました。 もし消失していなければ、その後も大きくなって、雲をつくような按配だったでしょうね。 つくづく残念でなりません。

SilverMacさんへ
歩く距離もあるし、階段も急だし、本堂までが少し大変ですが、寂聴さんの法話の際には老若男女、数千人で埋め尽くされるそうですよ。

こぎんさんへ
いつの世にもそういう人間がいることが残念ですね。
ここは岩手県北、青森に近いですね、健脚向きのお寺さんです。

Krauseさんへ
今は本堂に鎮座し、この世を見守っているかのようです。

キタノオドリコ さんへ
大変興味深いお話で、ありがとうございました。
書籍化されているのなら、一度読んでみたいものですね。
それにしても漆の件といい、キタノオドリコ さんが何ものなのか?そちらも興味深いですよ^-^
by 風の又三郎 (2007-10-28 17:43) 

ミモザ

仏様方がお気の毒な姿になっていますね。
なんとか修復できないものでしょうか。勿体無い事です。
寂聴さんの説法を、私も一度聞いてみたいと思っています。
by ミモザ (2007-10-28 19:58) 

ミッチー

すごい受難の歴史があったんですね
でも着実に復興しているようでなによりです
by ミッチー (2007-10-28 22:52) 

sweet_grass2006

当時の住職と一部の責任者の心無い行いのために大きな杉の木達は伐採され、その命を絶たれたわけですね。なるほど、切り株や木の根っこのお地蔵さまの意味がわかりました。青空説法、機会があれば聞いてみたいです。
ご紹介をありがとうございました。
by sweet_grass2006 (2007-10-29 16:53) 

hana

菩薩坐像さんとてもいいお顔していますね。
本当に残念で心打たれます。
豆地蔵さん達は、伐採された霊木の慰霊の意味で設置されていたんですか。
ただ置かれているだけではなかったんですね。
一度訪ねてみたくなりました。とても心惹かれます。
by hana (2007-11-05 16:51) 

tenti

はじめまして こんにちは。
天台寺検索している内に素晴らしい貴ブログにたどりつきました。
やさしいお顔の菩薩さんいいですね。
小生の上記ブログの最後にふれた「大日如来」とはこの像ではないかと思います。
貴ブログのここのところリンクさせていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
by tenti (2009-02-15 12:44) 

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